開業の流れについて
事業内容の決定・事前準備
介護サービスの中でどの事業を行うか、どこまでの範囲の地域を対象とするのか、開始時期はいつとするのかなどを決定します。損益計画、資金計画などの事業計画も作成します。申請する機関、サービスを行う上での要件を確認し準備します。
法人の設立又は事業目的の変更
介護事業者の指定を申請する条件の一つに、法人格があります。法人格によっては設立にかかる期間や費用が異なります。そこで事前のスケジュール確認が必要です。
事務所の決定・事務所備品の準備・人員の確保
介護事業所を開設するためには、拠点となる事務所が必要です。事務所には事務スペース以外にも会議室やお手洗いが必要となります。加えて事業所を運営できる状態であるという証明のため、事務所備品も準備する必要があります。人員は、管理者や有資格者など人員基準を満たすように確保します。介護事業者用の損害賠償保険にも加入しましょう
介護事業者指定申請
事業を開始しようとする地域を管轄する市町村または都道府県に申請受付期間内に申請をします。書類に不備がある場合は申請は受理されません。その場合は開業日が遅れることになります。スムーズに行うためにも専門家にお任せ下さい。
指定事業者の決定・指定時研修
申請書受理後、要件をみたすものは指定事業者として認定されます。指定事業者と認定された場合は、管理者を対象として研修がおこなわれます。研修終了後、指定書が交付されます
開業準備 従業員採用、契約書作成、請求ソフト導入など
申請から指定日までの間に、重要事項説明書、契約書作成や、必要に応じて社内規定・マニュアル等各種書式作成、介護報酬請求ソフト導入、従業員採用・保険や給与手続き等も準備をします。
設立の流れについて
■株式会社
①定款を作成し、公証人の認証を受ける
②出資金の履行
③設立時、取締役(設立時、監査役等を置く場合は、これらの者も)の選任を行う
④設立時、取締役(設立時、監査役が置かれている場合は、その者も)が、設立手続きの調査を行う
⑤法人を代表すべき者(設立時、代表取締役)が、法定の期限内に本店の所在地を管轄する法務局に設立登記の申請を行う
■合同会社
①定款を作成し、公証人の認証を受ける
②出資金の履行
③法人を代表すべき者(代表社員)が、法定の期限内に本店の所在地を管轄する法務局に設立登記の申請を行う
■NPO法人
①定款を作成し、公証人の認証を受ける
②設立時、理事(設立時、監事・会計監査人を置く場合はこれらの者も)の選任を行う
③設立時、理事(設立時、監事が置かれている場合はその者も)が、設立手続きの調査を行う
④法人を代表すべき者(設立時、理事または代表理事)が、法定の期限内に、主たる事務所の所在地を管轄する法務局に設立登記の申請を行う
法人設立について
介護事業所(施設)の開業・立ち上げには、介護事業者の指定(許可)を受ける必要があります。
指定の取得により「指定事業所」となり、ケアプランに基づき介護サービスを提供した後に、介護報酬を請求することができるようになります。この指定は、原則個人では受けることができず、法人しか受けることができません。訪問介護・通所介護・居宅介護支援・訪問介護など介護保険から給付を受ける介護事業者は、原則として法人格を取得する必要があります。
法人格の種類について
株式会社 | 合弁会社 | NPO法人 | |
---|---|---|---|
事業内容 | 営利事業 | 営利事業 | 非営利事業 |
設立機関 | 1~2週間 | 1~2週間 | 6か月 |
資本金 | 1円~ | 1円~ | 0円~ |
設立者 | 発起人1人以上 | 社員1人以上 | 社員10人以上 |
役員 | 取締役1人以上 | 社員1人以上 | 理事3人以上、監事1人以上 |
最高決定機関 | 株主総会 | 全社員の総意 | 社員総会 |
設立費用 | 242,000円+資本金 | 100,000円+資本金 | 0円でも可能 |
信用度 | 高い | 低い | 高い |
各法人格のメリットデメリット
■株式会社のメリット・デメリット
メリット:
社会的信用度が高い。
有限責任株を発行して資金調達が可能上場もすることができる。
デメリット:
設立費用が高い。(定款認証 52,000円+収入印紙 40,000円+登記申請の際の登録免許税 150,000円)
役員変更登記が必要決算公告が必要。
■合同会社のメリット・デメリット
メリット:
設立費用が安い。(定款認証不要、収入印紙 40,000円+登記申請の際の登録免許税 60,000円)
有限責任配当金の分配比率を自由に設定できる役員変更手続きや決算公告が不要。
デメリット:
社会的信用度が低い。
2名以上の場合、意思決定に対立が生じると収拾がつかなくなる可能性もある。
上場することはできない。
■NPO法人のメリット・デメリット
メリット
設立費用が安い(定款認証 52,000円+収入印紙 不要+登記申請の際の登録免許税 60,000円)
営利性を全面に出さず、イメージがいい
非営利型なら税制の優遇措置も公益社団法人へ移行することもできる
デメリット:
配当金の分配ができない
役員変更登記が必要決算公告が必要資金調達が難しい
上場することはできない
介護・福祉事業の会社設立に関しては、ご相談ください。
会社設立時には勘案する点がいくつもあります。特に介護/障害福祉事業を始めるには通常の事業よりも準備が複雑です。会社や法人としての登記に加えて実施サービス毎に指定申請が必要になります。開業には複雑な部分が多く、無事に開業するため、また本業に集中するためにも専門家のサポートを受けることをおすすめします。
また開業後も日々の入出金の記録、請求書の発行、支払処理、給与計算など経理業務をすべて行うのは大変な労力と時間がかかります。岡部会計では設立支援に加えその後の経理代行アウトソーシングも可能です。岡部会計では請求書の発行、入金管理、支払振り込み、給与計算、経費計算、記帳業務、決算書の作成・申告、年末調整業務、クラウド会計導入・運用サポートが対応可能です。