大学設置基準 第5章「収容定員」には「大学は、教育にふさわしい環境の確保のため、在学する学生の数を収容定員に基づき適正に管理するものとする。」とあります。この適正な定員管理に対する考え方は、私立大学等経常費補助金の算定項目「学部等ごとの収容定員に対する在籍学生数の割合」にも反映されており、適正な定員管理が非常に重視されていることが分かります。平成2年度会計検査院決算検査報告では、編入生を“在籍学生数”の数値に含めず算定を行っていた「不当事項」の事例が下記の通り記載されています。
【私立大学等経常費補助金の経理が不当と認められるもの】
事業主体:学校法人B
年度:平成2年度
補助金交付額:912,121千円
不当と認める補助金額:19,129千円
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、学校法人Bに在籍する平成元年12月末日現在の学生数を1,961人と記入しており、財団では、この数値等に基づき、2年度の同学校法人に対する補助金を912,121,000円と算定していた。
しかし、上記の学生数には同大学に編入学した学生47人が含まれておらず、実際の在籍学生数は2,008人であった。
したがって、この在籍学生数により算定すると、学生総定員に対する在籍学生数の割合等に基づいて算定した調整係数が下がることになるので、適正な補助金は892,992,000円となり、19,129,000円が過大に交付されていた。
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