私立大学等経常費補助金の一般補助は「私立大学等の教育又は研究に係る経常的経費の1/2を補助」するもので、人数・支出の実数及び教育条件等により補助金が算定されています。“教育条件等”とは「教育条件に関すること」「財政状況に関すること」「情報の公表の実施状況に関すること」を指していますが、これらの項目は補助金算定のうえで大変重要な要素となっています。平成元年度の報告となりますが、会計検査院決算検査で「不当事項」として指摘された“財政状況に関すること”についての事例をご紹介します。
【私立大学等経常費補助金の経理が不当と認められるもの】
事業主体:学校法人E
年度:昭和63
補助金交付額:238,832千円
不当と認める補助金額:9,252千円
上記の学校法人は、財団に提出した資料に、学校法人Eに係る昭和62年度の教育研究経費支出及び設備関係支出の合計額(以下「教育研究経費支出等の額」という。)を121,685千円と記入しており、財団では、この数値等に基づき、63年度の同学校法人に対する補助金を238,832,000円と算定していた。
しかし、上記の教育研究経費支出等の額には、これに含めないこととされている学科新設に係る支出40,924千円が含まれていた。
したがって、これを除外して算定すると、学生納付金収入に対する教育研究経費支出等の額の割合等に基づいて算定した調整係数が下がることになるので、適正な補助金は229,580,000円となり、9,252,000円が過大に交付されていた。
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