開催日 | ・11月13日(水)10時~11時 ・12月2日(月)10時~~11時 ・12月23日(月)10時~11時 ・1月21日(火)10時~11時 |
登壇者 | 岡部雅人 |
概要 | 改正私立学校法が2025年度から施行されるのに合わせて学校法人会計と監査の枠組みが大きく変わります。 講師の岡部雅人は、日本公認会計士協会において長く学校法人委員会の副委員長や専門委員長等を務めており、今回の私立学校法改正にあたっても、「令和5年私立学校法改正等対応専門委員会」の副専門委員長として対応にあたってきました。 現時点では文部科学省の通知が発出されていないため、明確になっていない点もありますが、実際に対応により把握している留意点や今後の見通しについて解説していきます。 |
参加費用 | 無料 |
学校法人会計と監査の専門家「岡部雅人」が登壇します。
改正私立学校法が2025年度から施行されるのに合わせて学校法人会計と監査の枠組みが大きく変わります。
講師の岡部雅人は、日本公認会計士協会において長く学校法人委員会の副委員長や専門委員長等を務めており、今回の私立学校法改正にあたっても、「令和5年私立学校法改正等対応専門委員会」の副専門委員長として対応にあたってきました。
現時点では文部科学省の通知が発出されていないため、明確になっていない点もありますが、実際に対応により把握している留意点や今後の見通しについて解説していきます。
改正内容を概観してみましょう。
まず、会計については2024年9月30日に「学校法人会計基準の一部を改正する省令案等のパブリックコメント(意見公募手続)」に対する「文部科学省の考え方」が公表され、新しい会計の大枠が決まりました。
改正学校法人会計基準において、これまでの会計処理そのものが大きく変わるわけではありませんが、注記の追加や一部様式の変更が行われるほか、計算書類の枠組みや位置づけが大きく変わります。
実務処理、決算処理にあたっては、その点を十分理解しておく必要があります。また、これまで必ずしも適用が明確ではなかった「専修学校又は各種学校の設置のみを目的とする法人」(以下、「準学校法人」という。)についても、学校法人会計基準の適用が明確化されました。準学校法人においては、私立学校振興助成法監査の対象外だったこともあり、必ずしも学校法人会計基準が正確に適用されているとは限らない可能性もあるため、一層注意が必要です。
監査については私立学校法に基づき会計監査人制度が導入されることになりました。
対象となるのは大臣所轄学校法人と、規定された要件を満たす知事所轄学校法人です。なお、対象とならない知事所轄学校法人でも任意で会計監査人を設置することができます。この会計監査人設置学校法人においては、これまでの私立学校振興助成法の監査とはスケジュールや監査内容が大きく変更されます。監査報告書の内容等は日本公認会計士協会で検討中ですが、財産目録の数値部分を含めた監査となります。
オンラインセミナー内容
本セミナーでは、これらの学校法人会計と監査の変更点と注意点について、以下の内容を中心に解説してまいります。
学校法人会計および監査の変更点は、具体的には以下の通りです。
1. 私立学校法の会計・監査関連の主な改正点
- 計算書類の理事会承認期限が決算日から3か月以内に変更(従来は2か月以内)
- 私立学校法において会計監査人制度を導入(大臣所轄学校法人及び規模等の基準を満たした知事所轄学校法人には義務付け)
- 計算書類の作成基準(学校法人会計基準)の法令上の根拠を私立学校振興助成法から私立学校法に変更し、内容も改正
- 私立学校法に基づく学校法人会計基準となったことにあわせ、改正私立学校法152条5項の「専修学校又は各種学校の設置のみを目的とする法人」についても学校法人会計基準の適用を明確化
2.学校法人会計基準関係の主な改正点
・会計処理そのものについては特段の変更がない予定(※「3.賞与引当金はどうなるのか」参照)
・計算書類の順番について変更
・貸借対照表の明細表は、計算書類の附属明細書として整理、一部様式を変更
・内訳表は計算書類体系から外され、私立学校振興助成法で提出を求める書類として整理(私立学校振興助成法施行規則2条2項)
・内訳表に代わり計算書類においてセグメント情報を追加(知事所轄学校法人は原則として省略可となる見込み)
・注記項目の追加
セグメント情報
重要な偶発債務
子法人に関する事項
学校法人の出資による会社に係る事項
関連当事者との取引の内容に関する事項
学校法人間の財務取引
重要な後発事象
・財産目録の様式を学校法人会計基準に規定
・私立学校法監査対象の学校法人については知事所轄学校法人の会計処理の特例を不適用
3.賞与引当金はどうなるのか
先に「会計処理そのものについては特段の変更がない予定」と説明しましたが、2024年9月30日の「学校法人会計基準の一部を改正する省令案等のパブリックコメント(意見公募手続)」に対する「文部科学省の考え方」において、「賞与引当金に限らず、規定する要件を満たすものについて、引当金として計上するものと考えています」という記述がされました。従来、その根拠については二通りの考え方はありますが、学校法人において賞与引当金の計上についてはほとんどなされていないのが実態です。今後の文部科学省の通知等を待つ必要はありますが、要件を満たす学校法人においては賞与引当金の計上が必要になる可能性が出てきました。